会社の金でフジフィルムのX-T1とモノブロックストロボを買った。旧カメラはEOS Kiss DN、調べてみると発売日は2005年3月だったようで、のべ10年以上キスデジNを使ってきたことになる。今までありがとう。お疲れ様。
この古いカメラと貧乏スタジオ(段ボール&クリップライト)で物撮りもどきを行ってきたが、道具に頼るより腕を磨くべきと思うものの、お客さんに撮影風景を目撃され「うわぁ…」という嘲笑とも悲哀とも取れる反応を受けて以来、中小と言えど企業たるもの体面も大事だなと反省した次第だ。
そういえば貧乏スタジオについて
アホみたいな記事を書いたこともあったな。※自宅版
ストロボはたぶん中華製の安物を2セット
まともな物撮り環境を作るにあたって照明は定常光かストロボにするかで悩んだが、今まで一度も扱ったことのないストロボを使いたくなり、ストロボ、ソフトボックス、アームを2セット分購入した。与えられた予算は20万円以内だったので選択肢は少なく、メカニカルなダイヤル操作と今まで自分が抱いていたイメージを払拭する性能のEVFに魅了されてX-T1を選んだものの、レンズ、ストロボにリソースを振り分ける事ができなくなった。ついでにフラッシュメーターも買えない。XF60mmF2.4 R Macroも欲しかったのに。偉くないから仕方がない。
システム構成
撮影時はメインのストロボ本体からX-T1のシンクロターミナルへコードを繋ぎ、サブのストロボはスレーブ発光させる。クリップオンストロボとは違って自動調光ができないので、ストロボの光量、カメラの露出をマニュアルで調整して撮影を行う必要がある。更には予算不足でフラッシュメーターを買えなかったという酷い状態だ。ストロボに関する知識もスキルも全く無いので、練習がてら机のまわりにあったテキトーな物でテスト撮影を繰り返した。
カメラとストロボが届いた時点で切迫したスケジュールの案件を抱えていて、撮影、デザイン、入稿までの猶予期間はこの時点で残り1週。この間にカメラ・フラッシュ双方の使い方を理解し、本番撮影を行う必要があった。
X-T1とストロボで撮影の練習を繰り返したところ、とりあえずフラッシュメーターは必要ねえなとの結論に至った。カメラ側の設定はフルマニュアルでISOは最低値の200、シャッタースピードは同調上限速度の1/180にしておいて、あとはテスト撮影で具合を見ながらカメラの絞りとストロボ本体の光量を調整してあげればすんなりと露出が決まる。絞りは大体F10〜F20となるので、被写界深度を狭めた撮影を行うときはどうするんだろう。NDフィルタでも装着すればいいのか。
フィルム時代の物撮りは新人の頃にクライアント側の担当としてスタジオに入り浸った事があって、中判もしくは大判カメラで本撮影前にポラロイドで確認してからポジで撮影という流れだった事を憶えている。デジタル撮影が当たり前となった現代では、何枚テスト撮影しようが物理的なコストは発生しなくなったので気の済むまでテストが行えて便利ですね。
黒締め省略の透明物撮影例
ソフトボックスを装着したフラッシュをバックライト、右手前にサブライトを置いてあおり気味に撮影。色々と試したいところだが案件の締め切りが迫っており、社内スタジオで撮影→失敗→外注という逃げ道も絶たれているので遊んでいる暇が無い。全裸で逃げ出したい気分だったが、何とかこの記事を書いている時点で本撮影、デザイン、入稿を終える事ができた。
尚、自宅、私物カメラの構成は現在PENTAX istDL2(ついに壊れた)、PENTAX初代645、MAMIYA RZ-67Proとなっております。